ZODIAC SIGN パラケルススの星座帯留
ZODIAC SIGN パラケルススの星座帯留
CONCEPT
「大人の魔法道具」がコンセプトの帯留です。
店主はキモノを着ること、そのこと自体を大人の変身魔法のようだと考えています。
ゼロからキモノを着ていくにはこのようなステップを踏んでいきますよね。
- キモノを着るのに必要な道具や「格」など一般的な知識を得る
- まあまあのお金を出して一式そろえる
- とにかく一度「正解」の着方ができるようになる
- 自分の好きなスタイルを目指して補正をし、小物を身につける
このステップは、決して楽なものではありません。
時間とお金をつかって知識と技術を獲得しつつ、トライ&エラーを繰り返していくものです。
その結果、自分できれいに着られるようになった自分を振り返ると、新しい服を身にまとっているだけではなく、理想に向かって経験を積んだ新しい自分に変わったことにも気づくのです。これぞ大人の変身です。
今回の帯留は、そんな変身アイテムにしたいと思って作りました。
せっかくなので中世ヨーロッパの魔法の歴史を調べ、当時の人びとが実際に身につけていたアイテムをもとにデザインしています。
デザイン
スイスの医師・錬金術師パラケルスス(1493-1541)が記したラテン語の書籍からデザインをおこしています。実際に参考にしたものはターナー著の英語版『PARACELSUS of the Supreme Mysteries of NATURE』(1655)です。
パラケルススは中世医学で主流だった「四体液説」に反対し、星辰(占星術のこと)の影響を受けた医療占星術の流れをくみ、独自の原理に基づく診断法・治療法を唱えました。
この書籍の中にも「天の薬」についての記述があり、
・星座ごとにLamenをつくること
・いつ作ればよいか
・いつ身につければよいか
・どのような効果があるか
という内容が書かれています。
「Lamen」はラテン語で皿を意味し、ここでは胸の上にぶら下がるように首にかけるペンダントまたは胸当てを指します。その用途はさまざまですが、最も一般的には、権威の象徴と魔法のエネルギーの焦点となるような意味づけがなされていました。
現代医学の観点からみると不思議なことが多いとはいえ、当時は実際に病気を治した例があったとのことです。
パラケルススに関しては下の方にも詳しく書いています。
仕様
大きさ
タテ約2.4cm×ヨコ約2.4cmの不完全な丸型です。
配色
青~赤紫までの釉薬のうち4色を混合して焼きつけたのち、 くすみ色の金液で記号と文字を転写し、再度焼きつけ、最後に表面処理をほどこしています。
色合いは、架空の物語に登場する石に見えるか見えないかというところを意識しました。実際に存在した医療道具のデザインですが、コーディネートのアクセントとなるような仕立てです。
太陽にあたると明るく見え、表面の金模様も浮き上がって見えます。
金具
メーカーものの真鍮製帯留金具を別途固定しています。
星座別デザイン
星座記号が入っているものいないもの、ラテン語とギリシャ語が入り混じった呪文のような文字列など、星座それぞれのデザインに特色があります。
ひと通り文字列を調査しましたが、現代の翻訳では分からないことが多く、何と書かれているかはほとんど不明です。
自分の星座のものを持っても良し、気に入ったデザインのものを選んでも良しです。
おひつじ座
中央にアルファベットのVのような文字があり、これがおひつじ座のマーク♈であると思われます。円形に一周線が引かれており、その外側にもギリシャ文字が書かれています。
おうし座
おうし座のマーク♉は帯留の中央に記されています。ギリシャ文字の小文字の羅列が見られます。
ふたご座
目立つように星座のマークが置かれています。円の外側はギリシャ文字の大文字です。
かに座
かに座のマーク♋が中央にあります。ほとんどの文字は現代語でもなく分からないのですが、「AVROLICET」の文字はラテン語で繁栄するの意ではないかと考えています。
しし座
見ていて楽しいデザインです。太陽そのものが描かれています。書籍の原本そのまま、スンとした表情を再現しています。
おとめ座
矢のようなデザイン上におとめ座のマーク♍と記号が描かれています。ローマ字のようなので読めそうですが不明です。
Lieberはラテン語で愛の意味ではないかと推測されます。
てんびん座
書いてある文字列は中世に信仰されていた聖人という可能性はあるでしょうか。てんびん座のマークは確認されません。
oremは英語でpray、arcaは箱の意味だそうですが、詳しくは不明です。
さそり座
もっともシンプルなデザイン。さそり座のマーク♏はありません。中央上にある19と読める文字はおそらくギリシャ文字のι(イオタ)とρ(ロー)だと思われます。
いて座
美しいデザインです。いて座のマーク♐はありませんが騎士団ぽさが全星座中No.1。円の外側にはTINORAMOSAPIONと書いてあります。
やぎ座
PARET. APELS. REION. EMILI. TONAT. とあります。ここにも人の名前のようなものがあります。文字が入りきらなくてサンプルづくりに苦労したやぎ座です。
みずがめ座
中央少し上にみずがめ座のマーク♒があります。その上にあるのは文字というより土星のマーク♄にも見えます。原典にはみずがめ座と土星のつながりが示唆されています。
うお座
中央下にうお座のマーク♓があります。かなりバランスのとりにくいデザインです。
着用例
概念コーデ用に
ここからは原典に書いてあったことを少し紹介します。版によって内容が異なるので、参考程度にご覧ください。
着用について
着用の時期と効果
身につけ方と効果については著作の中にある程度示されています。
Flegm : phlegm〔古代・中世の医学などで〕粘液◆「冷たく湿っていて、不活発・冷淡といった性質に関係する」と信じられていた。
Choler〔古代・中世の医学などで〕黄胆汁◆「かんしゃく質を引き起こす」とされた。
Lamen〔ラテン語で〕皿◆ ここでは胸の上にぶら下がるように首にかけるペンダントまたは胸当てを指す。
ここに記載したものは書籍上の効果と時期です。実際の効果をもとめるものではありません。あくまでも《帯留》としてお使いいただいて大丈夫です。
お好きな着物スタイルに合わせていただければと思います。
製作について
製作時期について、書籍にも詳しく書かれています。一度在庫をそろえた上で今後はそれぞれの星座にしたがって時期を見ながら作っていくことになります。
現代で知られている西洋占星術とは異なる部分がかなりあり、読みとけない部分は現代の暦に従っています。
※パラケルススについて
フィリップス・アウレオールス・テオフラストゥス・ボンバストゥス・フォン・ホーエンハイム (1493年~1541年)は、パラケルススの名前でも知られているスイスの医師・錬金術師・魔法使い。
医師としての功績は、黄金が癲癇(てんかん)に効くこと、アヘン剤を発見したことなど。
中世の医学は「四液体説」が主流であった。人間の身体には「血液、粘液、黄胆汁、黒胆汁」の4種類の基本体液があり、このバランスが崩れることで病気が引き起こされると考えられていた。パラケルススはこれに異を唱え、中世の価値観に一石を投じた。
錬金術師としての側面は、これまで金を生成することが目的だった錬金術に普遍医薬 (≒賢者の石・エリクシール)や医薬品を生成すべきとして本を執筆している。
ハリーポッターにも出演。ハリー・ポッターが1991年のホグワーツ特急に初めて乗車した際、彼はパラケルススの蛙チョコレート(金カード)を手に入れている。また、ホグワーツ城の廊下にはパラケルスス胸像がある。
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【名称】ZODIAC SIGN パラケルススの星座帯留
【サイズ】縦2.4cm×横2.4cm
【素材】銅板・七宝釉薬・真鍮製金具
【注意点】
- かたいものに当たると割れます。ご注意ください。
- 指紋等がついたときは柔らかい布で拭いてください。
- 帯留金具は接着剤を使用しています。強い力がかかると取れてしまいますのでご注意ください。
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商品にはバラつきがあり、写真と異なる場合がありますのでご了承の上ご購入ください。