七五三で&ENAMELの帯留はおすすめしていません

七五三で&ENAMELの帯留はおすすめしていません

こんにちは。
&ENAMEL店主のアユカワです。うちの娘は3歳の七五三で着物を着たのがとても嬉しかったらしく、冬になると着物を着たがります。とてもよい。


しかし、七五三でうちの帯留を使ってもらおうとは思っていません。

もちろん、たくさんの皆さんに届けばいいなとは思ってはいますが、目的が違うからです。

1番大きな理由は、

「ハレ」の日じゃなく「ケ=普段」の日に着る着物に使ってほしいから

です。

 

【ここからこむずかしい話〜】

大正時代まで日本国民の普段着だった着物=和服は、昭和を経て洋服にとって代わられ衰退していきます。
着物産業界は裾野が広く、工業製品としてのカイコの生産から、染色、機織、仕立てといったさまざまな職種に分かれて発展していましたが、それがもれなく衰退しました。

戦時中には普段着だった着物がそれすら「華美なもの」として禁止され、みんながモンペ姿になり、戦後に入ってきた洋服文化に変わっていったからです。

その後、現在の上皇后妃、美智子様がお召しになった着物が火付け役となって、最後で最大の着物ブームが起きます。ここで売れたのが「ハレ」の日の、豪華で高価な着物です。数が売れなくなってきたので、単価を高くしました。

ピーク時の1975年は1.8兆円だった市場規模は、コロナ前の2019年には2,605億円まで縮小します。
(矢野経済研究所 2022年度版きもの産業年間より)

44年の間にピーク時の13%にまで落ち込んでいるわけです。

つまりどういうことかというと、

戦争で普段着の着物文化が廃れたあと、着物業界が目をつけたのが結婚式や七五三など「ハレ」の日に着る着物。でも結局出生率が低下して人口が減ったので、単価が高くても売り上げが上がらなくなった、ということ。

コロナ禍で成人式や結婚式が控えられて、さらに売上が落ちることからも分かります。

 

で、&ENAMELは自分で着物を着たい人を応援するお店なので、ハレの日じゃなくケの日につけて欲しいお品をお届けしたいのです。

これは「ハレの日に帯留つけるな」ってことではありません。ハレの日にはそれにふさわしい帯留をつけてくださいね。真珠とかダイヤとか。

 

みんなでもっと普段着の着物を着ましょう。

応援しています。自分で着るの大変だと思います。衿がうまく抜けない、帯がぐちゃぐちゃになる、着ているうちにずり落ちそうで焦る、そういった試行錯誤を応援しています。

自分で、自分らしく着るために着物はあると信じています。

 

あと、もはや蛇足なんですが、七五三で帯留つけるっていっても三歳にはつけられません。

理由は、

帯してないから

です。

七歳でようやく帯をしめますが、七歳の活発さ侮ってはいけません。すぐ壊れます。

なので七五三でつけなくていいです。

大人になって、自分で着ようと思ったら買ってください、またはプレゼントしてあげてください。

本日は真面目なお話でした。

着物は楽しく楽に着ましょう!

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