こんにちは、&ENAMEL店主のアユカワです。
最近あたたかくなってきたので、散歩がてら近くのコーヒーショップを巡回して仕事をしています。
さて、本日は検証記事。
この記事の下の方でちらっと書いていたのですが、
ところで丹田の位置にひもをしめると力が入る、という話知ってますか。
私は身体感覚について調べてる中で知りましたが、茶道関係者、ピラティス、早大スポーツ科の講師の先生なども似たようなことを話しているようです。
ふんどしって丹田の位置でしめるんだそうです。男性の着物の帯も、腰の位置でというけど丹田を通りますよね。あとベリーダンサーの人が、ダンス衣装が丹田の位置だって言ってた。
ひもをしめて丹田のある場所が意識できると力が入る、というのをもっと具体的にいうと、実は逆で、
上半身の力がうまく抜けて下半身の上にバランスよく乗るんです。
そうすると立ち姿、歩き姿が美しくなります。
と書きました。
Instagramで似たような投稿をしたのですが、フォロワーさんからこんな話をいただきました。
骨盤付近で紐をしめるのは、女性の場合は、骨盤の開閉を邪魔するので身体の仕組み上良くない、(男性は骨盤が開閉しないのでok)
と健康&身体の講座で習ったため、今はスカートのウエスト位置で腰ひもをしめています。
とのこと。(教えてくださってありがとうございます!!!)
初耳!と思っていろいろ検証する回です。
どうやったら結論が出そうかなと思って、
- 短い着物と長い着物の2パターンを着てみる
- 腰ひもの位置を確かめる
- 同じ帯をしめて位置を確かめる
- 歩いてみる
これで動きやすさ、歩きやすさを試そうということにしました。
※あくまでも店主の実感ベースになることはご容赦ください。健康の専門家ではないので、自分の気持ちよさだけで判断することになります。
①短い着物
単衣の銘仙にしました。
短いのでおはしょりを作ろうと思うと腰ひもをかなり下にして結ばなければいけません。
こうすると、腰ひものライン上がモコモコするので、これを隠すために帯もかなり下目に締めます。
結果、腰ひもは骨盤のギリ上、帯は骨盤にちょっとかぶるくらいになりました。
ちなみにへそ、丹田、骨盤の位置関係はこのようになります。
丹田はへそから指4本分、約4〜5cm下と言われています。(諸説あるみたいです)また、表面ではなく身体の奥、おなかを輪切りにしたとしたらそのど真ん中にあると言われているようです。
そして骨盤というのは正確には腸骨、その一番上のラインを腸骨稜(ちょうこつりょう)と言います。
丹田と腸骨陵のラインは同じだいたい同じ高さです。
さて、歩いてみれば、たしかに骨盤の動きが制限されて歩きにくい。
これは帯が腸骨稜の動きを阻害しているからと感じます。
②長い着物
良く登場する白の袷にしました。
長いので腰ひもはスカートのゴムの位置、くびれの一番細いところ付近でまきます。
こうすると、帯をしめるのに余裕ができて自由度が増す感じがしました。
帯は上のラインより下のラインをしぼって締め、下線の短い逆台形のようになるのが良いとされていますが、それが楽にできました。
帯は骨盤(腸骨稜)の上に乗るようになり、帯正面の下の線を下げるようにすると丹田付近にくるようになりました。
帯の下線がへそ下にあるのでなんとなく気持ちよい感じがします。歩くのも楽。ずり落ちてくる感覚もなく、あるべき場所にあるようです。
まとめて考察
腰ひもについて
①腰ひもが低い位置にある
へそより下に締めました。丹田の場所と言えなくもない場所です。
これ自体に違和感はありませんが、先の図にあるように、くびれのずっと下の方でまくので、ゴムを使っている店主としてはゴムがずり上がってくるような感じがちょっとありました。
②腰ひもが高い位置にある
へそより上、スカートのゴムが来る位置ですね。くびれに近い場所です。
これが意識せずいつもの通りの場所だったので違和感ありませんでした。
帯について
①腰ひもを低く巻いた場合
腰ひもを丹田付近に巻いたことでできるモコモコを覆うように帯をしめました。
帯は前下がりになるように、上線より下線の方をしぼってしめるようにしますが、それでも締めにくいと感じました。あまり斜めにしすぎると脇のモコモコが出てしまうからです。
結果、帯の下線が丹田付近、脇のところでは腸骨稜にかかるような位置になりました。正面から見た帯の形は砂時計形になりました。
②腰ひもを高く巻いた場合
腰ひもが高いので帯も気にせずにしめることができます。
ただ、上過ぎても気持ちよくありません。先ほどより帯の巻き方の自由度が増すというか、余裕ができました。
結果、帯の下線は丹田付近、脇のところでは腸骨稜に乗せるような位置になり、帯が安定しました。正面から見た帯の形は下の短い台形になりました。
ということで、
丹田で紐を結ぶといいよ、と言ったのは、訂正させてください!
実際はやりにくかったし、紐って腰ひもと帯とどっちよ?ってなったし、男性着物やベリーダンス衣裳と女性着物は違うんだなと分かりました。
***
改めて紐を意識しながら着物を着てみた感想ですが、
丹田ってかなり下の方にあるな?
ということでした。
骨盤が邪魔して、がんばらないと紐が届かない。
ただし、
帯の下線が丹田位置に触れていると気持ちいい
というのも事実でした。
実際に着るときは着物の長さによって腰ひもの位置は動くと思うので、「ここに巻かなきゃいけない」というより着物に任せるのが正解だと思います。
なので腰ひもの位置は自由に、しかし帯を締めたときの位置はちょっと意識してもいいかも、と思います。台形になるように締めるとずり落ちそうになる感じも減って◎
以上です。どうでしょうか。
コメントなどいただけるととっても嬉しいです。