帯留が増えてきたらどうやって保管すればいいの?

帯留が増えてきたらどうやって保管すればいいの?

帯留のお手入れと保管方法についての記事です。

 

着物を着るときの唯一のアクセサリーなので、気が付いたらどんどん増えてきた…みたいに沼になりがちです。

たくさん集めた可愛い帯留たち、どうやってお手入れすればいいのか、こわれちゃったら、保管はどうする?という心配に応えていきます。

 

 

 

まず壊れやすい帯留について知ってほしい

現代はテーブルと椅子での生活に着物を着ているので、おなかまわりがテーブルに当たってしまう心配は避けられません。

カチカチと当たるとやっぱり欠けます。そして、壊れやすい帯留というのは存在します。

  • 宝石のついたもの
  • 江戸切子など複雑な形のガラス
  • 珊瑚(さんご)
  • シェル
  • 象牙(ぞうげ)
  • 鼈甲(べっこう)

どこが壊れやすいかというのは形や素材の特徴によって変わってくるのでもちろん一概にいいませんが、やっぱり生き物を加工して作ったものたちは繊細だし、今では貴重品な上に壊れやすいです。

 

当店の帯留は七宝焼でつくっています。

七宝焼は金属(主として銅や銀)+ガラス質の釉薬です。

なので、水や熱には強いが衝撃やひっかき傷には弱いです。

 

七宝焼についてもうちょっと詳しく

 

 

帯留本体から金具が取れてしまった

箸置きに金具をくっつけて帯留にする!みたいな話がよくあるのですが、それは逆に言えば「取れやすい」ということです。

とれちゃってもう使えないとなっては悲しいので、接着剤についてちょっとアドバイスをします。

 

瞬間接着剤より○○

瞬間接着剤は日常のあらゆるものを瞬時にくっつけてくれる復元の神ですが、帯留に関しては避けた方がよいです。理由は、

  • 少量で使うので帯留と金具の隙間を十分に埋められない
  • 水に弱い
  • 衝撃に弱い
  • 間違った角度でくっつけてしまうと取れなくなる

ということで、時間はかかってもゆっくり接着してくれるものの方が安心です。接着剤が固まったときに塗った分の体積が縮まないものがより良いです。

ホームセンターなどで探すときは金属を接着することができるものが◎です。帯留は金具が金属でできているものがほとんどだと思うので。「多用途」と書いてあり、「瞬間」と書いてないものだとだいたい良いです。

 

また、接着剤の色は無色透明なものが◎

黄色い色がついた接着剤もありますが、硬化したあとにはみ出していると汚く見えてテンションが下がります。気を付けましょう。

ちなみにアユカワは二種類の接着剤を混ぜて使う方式でくっつけてます。

 

 

帯留金具は手芸屋さんで売ってる

また、はがれた金具に接着剤が付着していて取れない、これではもう一度張り付けるのは無理そう、という場合は帯留金具を新たに買い求めましょう。

手芸屋さんで「帯留用パーツ」を販売しています。

形とお値段にはバリエーションがあるので、お手持ちの帯留に合わせて検索してみてくださいね。

 

 

 

帯留を使って汚れてしまったら

着物でお食事をするときなど、ハンカチを襟元や帯にはさんでいる方をよく見かけます。これ、着物や帯に汚れがつかないようにしているのですが、帯留を守るのにも効果ありです。

とはいえ、いつ何が降ってくるかわからないもの。汚れてしまったらどうしましょうか。

 

まず布で拭こう

そうです、まずハンカチで拭きましょう。だいたいのことはこれで何とかなります。

 

何とかならないときは水洗い、それでもダメなら中性洗剤をつけて優しく洗います。たいていの素材は水に強いので落ちついて汚れを落とします。

ただ、研磨剤やスチールたわしはやめましょう。こびりついた汚れを爪で引っかきたくなる気持ちは大いに分かる(そういうのを見ると我慢できない)のですが、傷がついてしまいます。

 

 

そして、水気を残さず拭きとってから保管します。

 

 

 

帯留の保管の方法

毎日着物を着る人にとっては「選びやすさ」、そうではない人にとっては「失くさない」ために保管は重要。着物を着る頻度、持っている帯留の数と種類によって、保管のやりかたに工夫が必要になることがあります。

 

手持ちの数が少ないとき

桐箱に入った帯留ってとてもリッチで買い物体験としても満足しますよね。保管するときもそのまま入れておけば良いです。

特に鼈甲(べっこう)は、虫くいが起きます。本物は亀の甲羅を加工しているので虫たちにとってはさぞ美味しいのでしょう。桐は昔から防虫の役割があったのでそれを使わない手はないです。活用しましょう。

 

ちなみに桐箱がないなら防虫剤を使ったらよいのですって!

 

 

アユカワは虫食いの心配があるものは持っていないので、小さいビニールに入れておくようにしてました。

これ、旅行先で着物を着るときとかにも便利です。ピアスなどと違ってずっと付けているわけじゃないものって、バッグに入れていても着物セットと一緒にしていても、引っかかるしどこに行ったか分からなくなるし、桐箱だとかさばるし。

ちょっとした工夫ですが、他のアクセサリーと一緒にしまっておくにも、着物のタンスに入れておくにしても、一つ一つをビニールに入れてから帯締めなどと一緒の箱にしまいます。

 

 

数が増えてきたら

数が増えたら、「しまっておくのに便利」 みたいな機能だけの理由じゃなくて、「今日着る着物に合わせて選ぶ楽しみ」もあったらいいな~と思うじゃないですか。

そのときはこれ。

無印良品「重なるベロアケース格子 アクリルケース用」

 

普通に100均のアクセサリーケースでも十分ですが、帯留研究家のアユカワとしては他の作家さんが作った帯留なんかも保管しておりますので…。

ベロア地だと傷つかないんじゃないかと思ってこれにしています。

同じシリーズの「重なるベロアケース縦」には羽織紐を入れられて便利。

あとどこにしまっとけばいいか迷う代表格、数珠もここに入れてます。

 

 

帯留って、ピアスやネックレス以上に、持ち主の志向が出るなって思っています。使いまわしがしやすいものもあるし、一見何にでも合いそうなのに今着ている着物に当ててみると「あれ…?」ってなるものもあります。

 

難しいとか、過度に失敗したなと思ったりせずに気軽に挑戦してみてほしいと思います。

当店の帯留たちもぜひ。

可愛いだけじゃなく、着物を着る大人の女性を守りたいと思って作っている帯留です。

 

着物を着るひとを応援しています。

 

 

 

 

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