当店の帯留は七宝焼という伝統技術でつくられています。
七宝焼は、金属の素地にガラス質の釉薬(うわぐすり)を800〜900℃で焼き付けて作られます。その歴史は古く、ツタンカーメンの黄金のマスクの青色部分にも使われており、3,000年以上も壊れることなく美しい色を保っています。
そんな七宝焼が雨に強いのは、
1.ガラス質の釉薬による高い耐水性
七宝焼の色は、顔料を含んだガラス質の釉薬そのものであり、水分や紫外線によって色が変わることがほぼありません。雨に濡れても、色褪せたり滲んだりしないのが特徴です。
2.金属素地(銅や銀)の防水コーティング
釉薬の土台となる金属は銀や銅のため、酸化する可能性があります。けれども七宝焼はその表面が釉薬で密閉されているため、金属が直接水に触れることがなく、腐食を防いでいます。
3.表面の滑らかさによる汚れにくさ
七宝焼の表面はつるんとしており、雨水や泥がついてもすぐに流れ落ちやすい構造になっています。もちろんお手入れもとても簡単。そのため、水滴によるシミや損傷が発生しにくく、清潔に保ちやすいです。
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この特性を活かしつつ、&ENAMELは雨の日も優しくポジティブな気持ちになれるような商品づくりにこだわっています。
1.テーブルや帯を痛めにくいフォルム
椅子に座ったときに帯留の厚みでテーブルにぶつからないよう、できる限り薄くなるよう調整しています。また、カドのあるデザインでも先端を丸く削って磨くことで、帯を傷めないよう工夫しています。
2.曇り空にも映えるシックな色選び
雨の日にも映える、派手すぎないしっとりカラーの釉薬を選んでいます。もちろん、雨上がりの陽射しを浴びれば艶やかに輝くことも考慮に入れて。
3.「ちょっと着物でお出かけ」に使えるデザイン
正式な場に着て行く着物ではない、家でこっそり着る着物でもない。友人と、彼と、ちょっと気になる人とお出かけするときのためのデザインです。会話のきっかけやお守り、何か足りないなと思ったときの「ちょい足し」になるようなデザインを心がけています。