こんにちは。今日もコツコツ800℃の炉と向き合ってます、&ENAMEL店主のアユカワです。
当店の商品は七宝焼でお作りしていますが、「七宝焼」で検索すると出てくる有名なものたちとはちょっと違う部分があります。
日本の七宝焼ってこんな感じですよね?
でもうちのはこんなことをしたりしています。
それは、いわゆる「七宝焼」が、技術の一角でしかなく、世界にはもっといろんなやり方があるからなのです。
先週末三連休だったのでちょっと東京でインプット祭りをしてきました。
まったく需要ないと思いますが行程は、
朝10時頃に羽田空港に着いてから
エマーユ七宝博物館
パーソナルカラー診断
国立新美術館でマティス展
器屋さんにて備前焼の展示会
サントリー美術館で織田有楽斎展
19時にホテルで家族と合流
こんな動けるんだな自分…ご飯も食べずに…パーソナルカラーは1stがsummer、2ndがwinterだったわ。
で、
でね、特筆すべき「エマーユ七宝博物館」
(写真撮り忘れたよ)
東京にあります。
ちょっとした街のジュエリーショップみたいな佇まいの場所で、一階が確かにショップ、二階が美術館でした。
お店の方がお客様対応してたみたいだったのでエレベーターで直接2階に上がったら、あれ、誰もいないな…?係の人は奥かな?
奥にもいないな?
あれ、え?
としばらくウロウロして、
一階に受付ありました。
1,000円お支払いして再び2階にあがって、じっくり見てきました。
日本の七宝焼は明治時代に確立された技法が脈々と続いているのですが、それとは全く印象が違います。
ここは「エマイユ」の名の通り、フランスを中心としたものが展示されていました。
技法も違います。
日本の七宝焼は有線七宝が有名で、先に銀や銅の線で形をつくり、その間に釉薬を「さしていく」という言い方をされることが多いのです。
エマーユは、上絵の具で土台に絵を描いていました。
中にはカメオを連想させる、黒地の背景に白の濃淡で絵を描き金彩をほどこす「グリザイユ技法」というのがあって、それがとっても美しかった。エマーユ作品を集めていたこちらのオーナーもきっとお好きだったんだろうと思わせる解説文の熱量。
「バスタイユ技法」は金属の素地に彫刻を施してから透明な釉薬をかけて、地金の模様を美しく見せるものですが、これは高級時計の文字盤などでよく見られるやり方です。
グランドセイコーの限定モデルでも採用された方法で、これまた日本の七宝焼のイメージとは全然違います。
「七宝焼」で検索すると日本の壺とかが出て来ますが、
「エマイユ」で検索するとエルメスのリングがいっぱい出て来ます。不思議でしょ。
で、技法の話が多くなってしまったけど、基本的な作品の多くは、絵画を陶器に写したものでした。
ギュスターブ・モローの絵やイエスキリストのモチーフを、金や銀の土台の上に釉薬を乗せて焼き、その上から絵の具で絵を描いて、焼いて貼りつける。
そういうものが多かった。
今でもヨーロッパの七宝の作り方になってます。
店主はこっちの方向も考えて商品を作っています。
技法にこだわるのでなく、紋章をどう表現するかを出発点としているので、結果として有線七宝になったり素地の上でのお絵描きになったりします。
とっても良かったよ。
もし七宝焼の可能性を見たかったら行ってみてください。
この日撮った写真はマジでこれしかなかった。
これブランコなの…?と娘が驚愕していた。