こんにちは。
実は茶道のお稽古を続けている&ENAMEL店主アユカワです。
続けているといっても2015年からなので今10年くらい。茶道の界隈では初心者状態です。
茶道で行われていることって、現代とぜんぜん違います。「コスパ」「タイパ」とか、何?って感じで、それが好きで続けているところもあります。沼ですよ沼。
茶道と着物は密接に結びついていて、着物を着られるようになったから茶道を始める、みたいな人も多いのです。が。
60歳くらいの女性は、着物の悩みが30代の店主と同じ
今お稽古をご一緒している人たちは60代の方が多くて、みなさん気持ちがお若い。
考えたことありますか?いまの60歳の女性って、もう「おばあちゃん」じゃありませんよ。もちろんお孫さんがいる人もいますが、もっと気持ちとか体力とかの面で。
現役。話が通じる。自己肯定感が低いとか、そういう点でも少し理解し合える。
これが70歳の人たちとなると、昔の人っぽい、ルールとしきたりを重んじて現実を批判する感じがあります。
これ、あくまで2025年時点での東北の日本海側に住む人n人のデータなので広く捉えたくないのですが、だからこそ聞けた本音みたいなのをシェアします。
先日あった、茶道の茶事。
茶事は少人数でする会で、ご飯を食べ、お酒を飲み、お菓子を食べてからお茶を飲む約3時間半のフルコースです。
生徒はお稽古のときより立派な着物を着て参加します。何かサークルとか団体に所属していて新年の集まりがあるとスーツやジャケットを着て参加しますよね。それと同じ感覚です。
普段着物を着ていない、30代と80代の方が頑張って着物を着てきました。おめでたい柄の着物を着るのでみんなほめ合います。
そのなかで60代の先輩が、困ったように話していました。
着物を着てこられない理由として、
- 自分で最後に着物を着たのは40年前
- それ以降は結婚式に参加して着付けしてもらっただけ
- 母親からもらった着物はあげてしまってほとんどない
- 今ある着物も虫干しするだけで着れるか確認してない
- 着付け小物がそろっているのか自分では分からない
- 一度も使ってない着物関係のものが車庫の2階にしまってある
わたしは、こういう年上の方が着物を着なくなってしまう理由は、「腕が上がらなくて」とか「なんか億劫で」とかだと思っていたんですよ。
でも違いました。
知識はあるのに、もう長いこと実践してないから自信がない
だったんですよ。
虫干しというのは、晴れた日に着物を干して虫喰いを防ぐことです。かろうじてこれはやってると。
でも着てはいない。
着ない服のメンテナンスを一年に何度かやらなければいけない状態なんです。
つらい世代だなーと思いました。
当たり前に着物を着ていた自分よりちょっと上の世代からたくさん着物を押しつけられ、でも自分は着ない。この方たちにとっても着物はもはや「着せてもらうもの」なんです。
アユカワは30代で、まわりに着物を着る人はほぼいません。一緒にお稽古している30代の方がおひとりいらっしゃるのですが、頑張って着物を着てみたいというので着つけの仕方をお伝えして、当日朝いっしょに着てから初釜に参加しました。
知識もない、着物すてきだし、着てみたい。その純粋なきもちがあって、着物にまつわる思い出とかがない人のほうが案外始めやすいのかな、と思いました。
同時に、世代に関わらず、「着たいけど着るのが憂うつな気がする」人と一緒に励まし合いたいです。
茶事は楽しかった。よっぱらいました。