こんにちは!&ENAMEL店主のアユカワです。
今日は帯留をするときに使う三分紐の話です。
帯留屋としては常に三分紐を使うので帯締めで絽?とか考えることは少ないのですが、
この夏はお茶のお稽古がたくさんあるので夏用の新しい帯締めと帯揚げを迎えました。
個人的には何かとブルーグレーのものを選びがちですが、夏着物は寒色ものが多いので自然と馴染み、取り合わせしやすいです。
硬そうなものは冷たそう、という色イメージが、見た目で人を楽しませる着物の遊び方に取り入れられています。
さて、これで思い出したのがこの問い合わせです。
夏は夏用の三分紐を使わないといけないんですか?
〇〇しなければならない、は難しいところですよね。どこまでがTPOで、どこから遊びがあるのかが分かりにくい。
ということで少し前段階から説明したことをシェアします。
①何もつけないときは帯締め、帯留をつけるときは三分紐
帯締めには房が付いています。
三分紐にはついていないか、ボリュームの小さい房があります。
②夏用帯締めとは何か
レース状にすき間がある帯締めです。
隙間が空いていて涼しげに見えるため夏に使います。
通年の帯締めとは使っている紐の素材が違うというのも見ましたが、ちゃんと確かめていませんすみません。
このレース状帯締めができたのは戦後だそうで、それまでは帯締めに夏冬の区別はなく、通年使えるものは文字通り1年を通して使っていたそうです。
③夏用の三分紐はあるのか
三分紐には夏冬の区別はありません。
だからよく見る三分紐は通年いつでも使えます。
ただし、紐の組み方でレース調というか、網目がゆるく見える三分紐というのがあって、涼しげに見えるのでこれを夏に締めたら素敵ね、という話です。
④結論:夏用の三分紐というのはほとんどないので、普通の三分紐を使えばよろしい
つまり「三分紐」として売られているものはいつ使っても良い。
「視覚的な涼やかさ」をおすそ分けする意味で、レース調の三分紐を持っているならつけたいですね。
上の写真で、白の三分紐と、赤金の三分紐がふたつ並んでいたら、夏は暑苦しいものは選びたくないね、くらいの感じで良いと思います。
余談
家事能力レベル2のアユカワにとって帯揚げのシワを取るのはいつも緊張する作業です。
帯揚げを裏返して、アイロンの低温で、当て布をせずスチームをプシュップシュッとかけながら素早くなめらかにしていく、というのが一番効きます。