こんにちは。&ENAMEL店主のアユカワです。
今日は胸の補正小物への愛を書きます。
上のリンクで商品をご覧になってみてくださいね。バストの下くらいに巻いて、そこからウサギの耳みたいなのが出てる。なんだこれ?って感じだと思います。名前も不思議だし。
でもこれは、わたしにとっては
「クラシカルなわたし」と「モダンなわたし」との間を行ったり来たりできる昇降機のようなアイテムなのです。
クラシカルかモダンかを自分なりに決めていることのひとつが、長襦袢の衿の出し方です。
左は普段、着物のお稽古にいくときに決めているクラシカルな衿の幅。右は家族で出かけるときの幅です。
実は舞妓さんの衿も右に近いものがあります。
詳しくみていきます。
長襦袢の衿の出し方
①クラシカルに着る
色気より貞淑さ。胸の前の重なりを多めに、胸元に懐紙や帛紗を挟めるように。だぶついていると懐紙でなく男の手が忍んでくるように想像されてしまう。
衿の抜きを少なく。長襦袢と身体の間にすきまが出ないように、からだに沿うようにして着ますが、衿は立てるイメージの方が合ってます。胸の前で交差しますが、その交差点が下の方になってV字が深くなります。そうすると掛け衿も下の方に落ちてきます。
これを想定して、補正小物の上の布地がアンダーバストラインにかかるように巻いておきます。
衿のラインと補正小物の場所は下のようになります。
②モダンに着る
着物を着始めたとき、着姿の参考にしていた大阪のayaaya 先生がとても素敵で、自分もそんな風にしようと自力であれこれ試してたどり着いたのが補正下着の位置でした。
ayaaya 先生のInstagram ←ぜひ見て
華奢な首に視線が集まるように。首の後ろ側の肌が多めに見えることで、そこから繋がる身体を見た人に想像させるように。
衿の抜きを大きく。横幅を広めにして、鎖骨が左右に見えるように。衿の交差点はクラシカルな方と比べて上になり、V字が浅くなります。衿は寝かせるイメージですが、首が詰まりすぎて見えないように、首の横に衿が食い込まないように気をつけます。
こうすると、先ほどより掛け衿が身体の上の方にくるので、補正小物も場所を上にずらして金具を留めます。
こちらは、本来の補正の役割を果たしていないかもしれません。補正小物の分、胸に一枚厚みができるのが気になるようであれば、みぞおちにタオルを挟んだりしましょう。わたしは、しないのですが。
また、このスタイルを完成させるには長襦袢に差し込む衿芯がしっかりしたものでないといけません。わたしのものはプラスチックで、バキバキになるまで使っているので、衿を立たせる力がなくてへたっています。首にもっと余裕を持ちたいのですがうまくいかなくて首の皮がよれています。(それは単なる老化だが)
着物も、からだ前面の長襦袢の衿幅が広く見えるように着ます。機会があればそれも書こうと思います。
昇降機ってなに
今日はこの位置に巻こうといって補正小物を上下にずらすのが、昔の百貨店にあった昇降機みたいだなと思っています。手動の、エレベーターガールがいた頃の。
2階のフォーマルを扱うフロアから4階フロアあたりに連れて行ってくれる感じが、この小さくて取るに足らない見た目のこれにはあります。
補正ファンデーションのメンテナンス
何年も使ううちに背中側のゴムが伸びてきました。長襦袢や着物でおさえるので一度着てしまえばずり上がったり落ちたりすることはありませんが、長襦袢の衿をあーでもないこーでもないとやっていると、この位置と決めたのにずれることはあります。
また、なぜかマジックテープの半分しか縫いつけられておらず、マジックテープをつけると平にならなくて背中がでこぼこします。
伸びたゴムの部分を折った部分とマジックテープの部分をそれぞれ縫いました。
補正ファンデーションを買うときは
このアイテムはもともと、みぞおちと鎖骨の凹凸をなくすためのものなので、もちろんそういった方法で活用していけば良いです。
わたしの鎖骨まわりは貧弱ですが、衿下パッドは何回か使ったあと不要としました。変に補正する必要がないと判断したし、洗って保管しているうちにこの耳みたいなの何だっけ?となって捨ててしまいました。みなさんの体型や目指す着付けによって使いましょう。
Mサイズのリンク を貼っています。ご自分の身体に合わせて探してくださいね。
気姿の美しさは細部に宿ります。
着付け小物は試した結果を細かくお伝えします。気になったら探して買ってみてくださいね。
着物を飾る帯留は、着付けの最後につけるジュエリー。よければ商品も見ていってください。
着物、楽しみましょう。